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手軽に使えるハンディタイプの粘度計も売られている!

粘度計はいろいろな種類がある

流体の流れにくさを測るのが粘度計です。潤滑作用のある油や塗料などの樹脂など流れにくいものはたくさんあります。また、温度などによってその粘度は変化します。潤滑剤など流れにくさが性能に影響するような時は、その正確な値を測ることが必要です。

日本産業規格であるJIS Z 8803には、毛細管や落球、回転、振動の4種類が定義されています。毛細管は細いガラス管の中を重力で落下する時間を測定します。落球式はステンレス球を規定の角度で配管内を落下させる方法です。

最も種類が多いのが回転式になります。スピンドルを回転させて抵抗を測定する方式です。円筒が1つの単一円筒型や回転軸が共通の円筒を二重にして少ない資料で測れるのが共軸二重円筒型になります。コーンプレート型は、円盤状のスピンドルと土台の間に流体をみたして回転時の抵抗を測定するものです。

測定方法に何を選べば良いのかは、対象物がどのような種類なのかや粘度の程度によって変わります。粘度の高いものは、詳細な値が出にくいため少し工夫が必要です。

現場で使うならハンディタイプ

通常は実験などで使用するため、持ち運びを気にすることはありませんが、現場で測定が必要な時があります。そんな時は持ち運びができるの粘度計が便利です。ハンディタイプの多くが回転式を採用していて、簡単に正確な値を得ることが可能です。

回転式の場合は、ハンディタイプですが土台となる部分が大きいので、現場に持って行くことができる程度の大きさです。スピンドルに入れた流体の動きを観察する必要があり、それなりの大きさが必要になります。他の類型では、少量のものが測れないなどの問題がるため、その用途によって使用するものを検討しなければいけません

超音波を使用する振動式の測定でもハンディタイプが販売されています。プローブの先端を流体に当てるだけなので、センサーの部分が汚れるだけなので、手入れが簡単で扱いが便利です。当て方などの影響を受けるので、正確な値を測るためにはしばらく訓練が必要になります。

まとめ

液体の粘度は、多くのものに影響を与えることがあります。想定よりも高い粘度の場合、流れないことになり、低い場合には、その場に滞らないため、流体が機能しないことがあります。正確な値を測っていけば、何か確認したい時には有効です。

粘度計にはいろいろな種類があることはわかりますが、ハンディタイプとしては、超音波を利用するものや回転式などがあります。測りやすさや精度は買って見なければわかりませんが、感覚的に終わらせることができないようなものを測っておきたいと言う時に役に立ちます。

一般的に使われる粘度計はB型とE型の2種類ある!気になる「使い分けの基準」

B型(円筒型)とE型(コーンプレート型)の粘度計の特徴とは

粘度計にはB型とE型の2種類があり、これらは試料に応力を加える方法に大きな違いがあります。B型の粘度計は容器に入れた液体に回転する回転子(スピンドル)を挿入して定速で回転させ、スピンドルが液体から受ける抵抗(応力)を直接測定します。

E型の装置は2枚の円盤の間にゼリー状の試料を挟んで、片方の円盤を回転させて正弦波を入力した時に円盤が受ける応力を測定する仕組みです。B型は構造や原理が単純なので簡易的な測定に向いていますが、弾性率を得ることはできません。

E型は正弦波を使用するので高校レベルの物理(波動)の基礎知識が必要になりますが、高精度で粘度と弾性率の両方の数値を得ることができます。

両方とも粘度の数値を得ることができますが、測定を行う目的に応じてどちらかを選ぶ必要があります。流体の粘度を測定するために粘度計を選ぶ場合は、いずれかの装置の使い分けるための基準を知っておくことが大切です。

使用する粘度計の種類を選択する基準

水やオイルなどのように流れてしまう流体の粘度を測定する場合は、B型粘度計を使用すべきです。せん断応力に関係なく常に一定の粘度を持つ低分子の液体の粘度を測定する場合も、B型粘度計を使用することができます。

ポリマー材料のように、入力するせん断応力の値によって粘度の数値が変化するような場合はE型粘度計を使用する必要があります。粘弾性を持つ流体で弾性値を得たい場合も、E型を選ぶべきです。ある程度粘性の高い試料でもB型の装置で測定を行うことは可能ですが、粘性が高すぎると正しく応力を測定することができません。アスファルトなどのように粘性が高いゼリー状の試料を測定する場合は、E型を選択すべきです。

粘度の大きな流体に強い力で撹拌をし続けると、撹拌子の運動エネルギーが熱に変化して試料の温度が上昇してしまいます。試料の温度が上昇すると粘度が大きく減少するような場合も、E型を選ぶようにしましょう。

まとめ
粘度計にはB型とE型の2種類がありますが、試料の分子量や性状(液状またはゼリー状)を基準にして使用する装置を選ぶ必要があります。見た目がサラサラ流れる液体であればB型を、簡単に流れないようなゼリー状の試料やポリマーの場合はE型の装置を選ぶようにしましょう。

ちなみに粘度の値が非常に低くて流れやすいような液体を測定する場合には回転粘度計は不向きで、古典的な細管式または落球式の装置を使用する必要があります。